16年間やって来ました店を移転しました。これは、その時の改装工事の記録です。
外構工事は、自分でやりました。
元々植わっていた木を5本根っこから伐採するために、根を掘り起こしたのち根を切っていきましたが、これが結構大変な作業です。でも、16歳の頃に建設会社で働いていた時にやった事があったので出来ました。
木を伐採したら、次はブロック塀を延長します。
鉄筋を組んで、、、
生コンを練って
ベースに敷きます。
生コンが固まったら、その上にブロックを積んで延長していきます。
鉄筋を入れて強度をしっかり保ちます。これも、17歳の頃やっていた型枠大工の仕事で何度もやっていたので問題なくできました。
新しくシマトネリコを植えます。
塀も延長。
砕石を敷き詰めていきます。
主な内装工事は、自分でやろうか迷った挙句に友達の専門業者さんにお願いする事にしました。イメージをしっかりと伝えてから内装工事が始まりました。
ワンフロアーだった店内に、壁を起こして部屋を分けていきます。
カウンターも作ります。大工さんは、地元が同じで年齢も近く、僕の要望するイメージやセンスをしっかりと理解する事ができる、美的感覚がしっかりしているモード学園出身の大工さんでした。
スタジオと、商談ルームとの間に壁を作り、閉塞感が出ないよう大きなガラスを埋め込むための、枠組みを組んでいきます。
一級建築士の先生も手伝ってくれて、設計もバッチリです。
下の骨組みに、壁を貼っていきます。
カウンターは広くて大きくし、天板の厚みも太く肉厚にします。
スタジオと商談ルームの間に特注で作った大きな強化ガラスが入り、閉塞感もなく防音効果もあります。
天井やガラスや窓枠周りには、モールを巻いていきます。これが有るか無いかでは、雲泥の差が出ます。
商談ルームの壁には、革のサンプルをはめ込めるようにして、上と下から照明を照らす事ができるようにしました。これで、夜でもここが目立ってカラフルになります。
吊り下げランプに、2000ルーメンの明るさのLED電球をセットしたので、昼間のような明るさがあり制作がとてもしやすくなります。
いよいよ外壁工事が始まりました。さすがに外壁工事は僕には経験が無いので、プロたちに任せました。毎日たくさんの人が入れ替わり立ち替わりに来て、とても楽しく話をして毎日が過ぎて行きました。
外壁工事がしやすいように、足場屋さんが足場を組みます。
新しく作る張り出しに、補強をするために壁をめくって、入口玄関上の屋根の瓦を外します。
太い木で、張り出しを作っていきます。これは内装工事をした大工さんが引き続きやってくれました。
コンパネを貼っていきます。
雨が降っても大丈夫なように防水もバッチリです。
板金屋さんが、水周りの板金工事をしてくれました。屋根にも板金がしっかりと施され、人が乗ってもビクともしない頑丈な屋根にしてくれました。
この、僕が描いたイメージ画を見ながら、業者さんは仕事を進めて行きました。これを作っておいて良かったです。このイメージを目指してみんなが同じ方向を見ながら改装工事が進んで行きました。
壁紙と塗装をするために、作った壁の段差や凹凸を消すために、パテを塗って調整していきます。
カウンターにも、パテを塗って下地を整えダイノックシートという、大理石のような石目調のシートが貼りやすくします。
ダイノックシートが貼られました。カーブやアールした部分もドライヤーでシートを伸ばしながら上手に貼って行きました。
55インチのテレビを埋め込みました。ここは自分でやりました。これは、位置決めをしているところです。
カウンターのテーブルの下にあるデッドスペースに、皿が入るように可動式の家具を作ってもらいました。
こちらのスタジオと商談ルームの壁は塗装で、色をグレーでシックに仕上げます。
壁紙には、こんな色をチョイスしました。カウンターの内側にはヒョウ柄とピンクの壁紙を貼ってもらいました。
通常はメインで使うような派手な壁紙をあえてトイレに使いました。メインで使うと当たり前すぎて芸がないので、トイレとパソコンルームに使う事で、見えない細部にもこだわっている感を演出しました。
パソコンルームにセットしたテーブルは、カットして使わない時に椅子がすっぽりと収まるようにしました。
看板の装飾をボルト風に作りました。
まずは、鉄工所をやっている友達のところに行き、6センチ幅の鉄のボルトを作ってもらいました。
このボルトの型をシリコンで作ります。型枠を作りシリコンを流していきます。
シリコンが固まったら、型枠をバラします。シリコンが剥がしやすいように、側面にはガムテープを貼ってありました。
ボルトを抜き取ります。
出来上がったシリコンの型に、樹脂を流してプラスチック製のボルトを複数複製します。
出来上がったボルト風のプラスチックに、ツヤあり黒い塗料を塗っていきます。
出来たボルト風プラスチックを、張り出し看板に貼っていきます。
本物のボルトに見える出来栄えになりました。
スタジオ内の、発送準備用などの雑務用カウンターテーブルを作りました。天板はやっぱり肉厚にするために、2、5センチの集成材を2枚貼り合わせて作りました。
ボルト留めした部分を、パテ埋めして天板にはステンレスを貼っていきます。
足の色は、つや消しの黒で塗ります。
CANDy BLOODに一番重要と言っても過言ではない、革を裁断したり作品を生み出すための、大きな作業用テーブルを作りました。これは、腕の良い家具職人の友達にお願いしました。毎回、大切な家具はこの友達に作ってもらっています。
ここに、天板をすっぽりかぶせられるようになっています。
色は、天板の側面と足の部分はつや消し黒で塗り、天板にはステンレスを貼りました。
建具屋さんに、間口に合わせた寸法で作ってもらった扉を、エイジング加工する事にしました。専門業者に頼むと、とても高い割には僕の思っているイメージには成りそうもないので、自分でエイジング加工をする事にしました。
マスキングして、ガラスに塗料が付かないようにします。
色を何色も重ね、古い感じのアンティーク感を出していきます。
扉は、合計4枚。その全てを朝までかかって1日で仕上げる事ができました。
ガスバーナーで炙って、火事の中から掘り出してきたような、古ぼけた汚さを出していきます。
スタジオの壁のエイジングも、塗装屋さんが出来ないというので自分でしました。思い通りのエイジング加減の壁になりました。
塗装屋さんが塗ってくれたグレーの壁に、白っぽい色や黒い色を何度も塗り重ね、古っぽい感じを出します。
イメージ通りの壁になりました。
備え付けで最初からあったソファーの生地を、全体の雰囲気に合うように張り替えました。専門業者におい願いしたら忙しくて3ヶ月待ちと言われたので、こちらも自分で張り替えました。
商談ルームに相応しい、イメージ通りの高級感が出ました。
着工から、実に2ヶ月以上かかって、ようやく改装工事が完成しました。お陰様でとても大好評です。外のランプには、以前のCANDy BLOODで使っていた吊り下げランプを使いました。
あえて、黒を基調にすることでクールで渋く仕上がり、一見様には敷居の高い店になったと思います笑。顧客様にはオープンですが、一見様には常にクローズしたスタジオです。制作の手が止まってしまう事が僕たちにとって一番リスキーなので、敷居を高くする必要があったんです。
スタジオ内は、とにかく作り出すために必要なものだけを置き、クールでカッコ良い雰囲気になりました。
ソファーも、革を剥がし全て新しく革を貼り、スワロフスキーも全面に打ち込みました。
カフェスペース横のトイレ前の雰囲気は、僕がイメージする今の最先端なオシャレは、こんな感じという雰囲気に仕上げてみました。出来上がったと同時に集まってくれた友達第一便です。