私は自分の得意なモノづくりで収入を得ています。しかも独学ですので、自分の作ったモノが、どうやればお金に替えられるか、なんて何も知りませんでした。それが、なぜお金に替えられるようになったのか、と言うと「その人の枠を壊して超える」からに他なりません。
CANDy BLOODという小さなプライベートブランドを10年以上経営してみると、紆余曲折しながらも1つ分かった事があります。
「良いモノ」とは、
“お客さんに、気に入ってもらえるように”
という想いで作ったものの事では決して無い、という事です。
CANDy BLOODの世界観を持ったまま、それまでの、その“お客さんの枠”を超えさせる力があるモノ(作品)こそ、お客さんにとっても、私にとっても「良いモノ」なんだという事に気づきました。
要するに人は、意識的にせよ、無意識的にせよ、“変わりたい”、という願望を心に秘めている生物であり、それを叶えてくれるモノに対して価値を感じて、喜んでくれます。
そして、その結果リピートしてくれる、という事に気付いたんです。
もし私がここで、お客さんの望むような世界に連れて行く事が出来ない「モノ作り」をしてしまえば、そのお客さんは2度と戻って来てはくれないでしょう。
しかし、ほとんどの人は、それまで作り上げた“固定観念”が邪魔をして、それまでの「自分の枠」を超えられず、その小さな世界観の中で停滞してしまっているのです。
そんな、お客さんの世界観を良くも悪くも壊してあげるのが、私たちのようなクリエイターの最も大きな仕事だという事が、これまでの10年以上の歳月で分かりました。
要するに、その人が持つ停滞した世界観を超えるキッカケになるのが、CANDy BLOODのオーダーメイドでなければいけない、という事です。
本来の意味のオーダーメイドとは、作り手にすべての権限があるものの事を、オーダーメイドと言います。
決して、お客さんの意見ばかりを取り入れて、“御用聞き”になってしまってはいけないのすね。
なぜなら、お客さんの意見を入れ過ぎたオーダーでは、それまでの停滞した世界観を壊せず、結局今までと何も変わらない、予定調和な物しか出来上がらないからなんです。
そうじゃなくて、その人の知らない世界観を見せてあげられて、その人の世界観を拡げるキッカケになる「モノ」こそが、その人にとっての「良いモノ」なんだと思う訳です。
そこで初めて私は、「良いモノ作り」が出来たんだと思えるのです。
もちろん、最低限のご要望には予め耳を傾ける事が前提です。例えばサイズ感や色など、どうしても譲れない部分は取り入れる必要があるでしょう。
しかし、多くを聴き過ぎてしまえばしまう程、モノ作りの制限が枠の小さいものになってしまい、結局既製品のような面白みの無い商品になってしまう確率が上がってしまう訳です。
それでは、お客さんも私たちCANDy BLOODも望んでいない「モノ」が出来上がってしまいます。
作り手である私の世界観で、オーダーをして頂いたお客さんの世界観を超えるモノこそ、その人にとっても、私にとっても「良いモノ」であり「良い作品」なのだと思うんです。
そのお客さんの世界観を、書き換えられるモノづくりこそ、私の一番大きな役割なんだと思っています。
そんな作り手の私の想いだけを具現化している、CANDyBLOODで人気の企画があります。
「2度と手に入らない革で作る、世界に1つのバッグ」という企画です。
この企画では、2度と手に入らない生産中止になった革や、1点ものの革、規格外の革などを使用して、限定数1個の世界に1つのバッグを作って顧客様にご紹介している、という企画。
この企画こそ、自分の求める世界観に仕上がったバッグを見つけるには、もってこいの企画だと思います。