行動の理由

 

人間は何か行動をする時には、必ずその行動をした理由があります。

しかし、多くの人は、自分の取る行動の理由が

他人によって決められているものだという事には気が付いていません。

なぜ気が付かないのでしょう・・・

固定的動作パターン

 

世界に一つの物に興味の無い人が居るなんて

僕には本当に信じられなかった。

 

しかし、そうとしか思えない行動を多くの人が取る所を見ると、

そういう事なんだろう。

 

多くの人が取る行動とは、多くの人が持っている物を欲しがり、

多くの人がやる事をやりたがり、多くの人が行く所に行きたがる事だ。

 

そういう人が取る行動を、

大衆心理とか群衆心理などと呼び科学的にも広く立証されている

人間の本能に組み込まれている、固定的動作パターンのひとつなのである。

 

固定的動作パターンというのは、他の記事でも少し書いたのだが

今回はもうちょっと詳しく、この固定的動作パターンについて

書いてみたいと思います。

 

この固定的動作パターンを僕が勉強したのは、

影響力の武器という本を何度も読み返し勉強したという事を

前提にお話していこうと思います。

 

人間を含む、生物の本能には実に興味深い

メカニズムが組み込まれているようです。

 

影響力の武器という本には、

そんな興味深い例がいくつも載っています。

 

例えば、七面鳥の母鳥は警戒心がとても強く、

ひな鳥を守る一見、とても良い母鳥に見えるのですが、

よく観察すると実はそうでは無い、というショッキングな事が

実験を通して分かったというのです。

 

七面鳥の母鳥はひな鳥の

 

「ピーピー」

 

という鳴き声が引き金になり子育てをして、

ひな鳥が鳴かなければ、子育てをしないだけでは無く、

なんとひな鳥を殺してしまう事さえもあるという事が実験で分かったのです。

 

ひな鳥の鳴き声が引き金になって、母鳥は本当に子育てを

 

“するかしないか”

 

を判断しているのだろうか?と、いう事を立証する為に、

ある実験をしたのです。

 

その実験というのは、とても興味深い実験でした。

 

七面鳥の天敵というイタチの人形を使い実験が行われました。

 

七面鳥の母鳥にこのイタチの人形を近付けると母鳥は、

その人形を見た瞬間に激怒し猛烈に攻撃を開始しました。

 

これは、当然の予想通りの結果でした。

 

しかし、イタチの人形の中に

 

「ピーピー」

 

というひな鳥の鳴き声を仕込み、

もう一度七面鳥の母鳥の前に放ちました。

 

すると、警戒心が強いはずである

七面鳥の母鳥は、なんとイタチの人形を

自分の元へと迎え入れたのです。

 

しかも、迎え入れただけで無く自分の翼で

包み込んだのでした。

 

そして、ひな鳥の鳴き声を停止すると、

今まで優しく抱き抱えていたイタチの人形に向かって

猛烈な攻撃を始めたのです。

 

しかし、この奇妙で興味深い行動を示すのは

七面鳥だけに限らず、色々な種類の動物がこれと同じような、

盲目的で規則的な行動パターンを持っているというのです。

 

例えば、サケが育った海から数千キロ泳ぎ、

自分が生まれ育った川へと戻り、その川を上って産卵を

する行動やクジャクのオスが綺麗で大きな自分の羽根を広げ、

メスに求愛する行動なども先ほどの七面鳥が子育てをする時の

本能行動とまったく同じなのです。

 

ある刺激が引き金となり特定の決まった行動を

本能的にとってしまうのです。

 

これを、固定的動作パターンと言うのですが、

この固定的動作パターンは人間も数え切れないほど

たくさんの固定的動作パターンを持っています。

 

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高い物は本当に良いものなのか?

 

例えば人間の場合、

医者や弁護士などの権威を持つ専門家の人の言う事は、

無条件に信じてしまうという固定的動作パターンがあります。

 

医者は白衣を着ているので、

白衣を着た年配の男性の言う事は何でも信じて疑わないというのです。

 

それが、医者では無いかもしれないというのに、

白衣を着ているだけで権威を感じてしまうのです。

 

他にも、人は

 

『価格が高い物は良い物だ。』

 

と思い込む固定的動作パターンがあります。

 

普段、人は安い物を買うのですが、

『高価な物は良い物』と思っています。

 

海外の200万円する有名ブランドのバッグと、

9800円の革のバッグと比べてもその違いは

実はあまり無いにも関わらず、

200万円のブランドのバッグが良い物だと思うのです。

 

荷物が入る用途はまったく同じなのにです。

しかし、本来の深層心理には

『高価な物を安く買いたい』

と本当は思っているのです。

 

200万円のブランドバッグを

150万円で買いたいのです本当は。

 

あまりにも安過ぎる物には、

「なんでこんなにも安いんだろう?欠陥品じゃ無いだろうか?」

と心配して買わない事も少なくありませんよね?

 

人は、高価な物は良質だと勝手に思い込むので、

高価な物が安くなっている物が欲しいのです。

 

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皆がやっている事は本当に正しいのだろうか?

 

そして、今回の本題でもある、

 

“みんながやっている事は正しい”

 

という固定的動作パターンも持っているのです。

 

だから、みんながやっている事を自分もやりたいと

思ってしまう訳なのですが、要するに人間は損をしたく無い

意識が根底に強く持っているのです。

 

失敗する事が嫌なのです。

 

だから、多くの人が取る行動が正しい、と思いたいのです。

 

自分一人がやっている事って、常に不安が付きまとい

 

「本当にこれは、正しい事なんだろうか?」

 

という葛藤が常にあるものです。

 

そんな孤独と戦いながら、初めて

自分の個を確立する事ができるのだと思うのです。

 

でも人は間違える事を恐れ、失敗したくない心理が働き、

今日も明日もみんながやっている事を基準に生きて行くのです。

 

これが、固定的動作パターンのほんの一例です。

 

人間の本能に組み込まれている

固定的動作パターンのひとつである、

 

“みんながやっている事は正しい・・・”

 

と何も考えず思い込むのです。

そこに思考はありません。

 

思考停止の状態で判断しているのです。

例え自分で考えて判断している、

と思っても先ほど書いたように、

スタート地点が間違っているのです。

 

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大衆心理の結末

 

根底にみんながやっている事は正しい、

という事が大前提になっている所からスタートしているので、

それでは自分で考えている事にはなりません。

 

「なぜ、みんなはこれをしているのだろうか?」

 

という思考が抜けているのです。

 

それでは、その行動の本質が完全に分からないまま、

みんなが取る行動が正しいと思ってしまうのです。

 

人間の本能に組み込まれているため、

誰のせいでも無いのですが、物事の本質を考える事をせず

みんながやっているから、

という理由だけで行動してしまうと、

それは自分という個が無い状態です。

 

しかし、大衆心理の結末というのは決まって間違うのです。

 

だからこそ、あの有名な哲学者オルテガの言葉が

今も尚、真理として語り継がれている訳なのです。

 

“大衆は常に間違える”・・・と。

 

みんながやっているかどうかでは無く、

あなたが良いと思うかどうかが何よりも一番大切なのです。

 

それが、個の主張であり、本来の自己表現なのです。

 

自分で考えて判断するというのは、そういう事なんです。

 

 

 

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